アーモンドもなか

一般人の偏愛雑記です。ジャニオタでもあります。

音楽劇マリウス 千秋楽を終えて

 

音楽劇マリウスが千秋楽を迎え、早くも一週間が経った。私が観劇したのは6/11昼公演なのでもうすぐ1ヶ月が経とうとしているが、照史くんが昨日のなにわぶ誌で言っていたようにとても面白くて、素敵な作品だったので、記憶が消えてしまわないうちに自分でも感じたことを書き留めておこうと思いブログを開いた。

 

 

 

6/11日は雨だった。去年、アマデウスを見に行った日(確かじゅんじゅんの誕生日)も雨降ってたなぁなんて考えながら、なんとなく舞台観劇の際のルーティンになっているジャスミン茶を買って松竹座に向かった。

 

f:id:tyr_0927:20180704145732j:plain

松竹座綺麗に撮れない問題深刻ッ!

f:id:tyr_0927:20180704145752j:plain

一歩踏み入れればそこはマルセイユ

 

松竹座というか舞台をやっているような劇場は、コンサート会場とは違った静かな興奮があって好きだ。ジャニオタのみなさんで溢れているのは同じなのだが、うちわやペンライトがなく参戦!戦じゃ!という雰囲気ではなく、でもみんなワクワクを秘めている表情をしていて落ち着いていて居心地が良い。ワクワクを秘めているのはもちろん私も同じなのだが一人なので顔面の表情に気をつけながら自分の席についた。

 

舞台は幕間を入れると3時間強という長丁場なのだが、そんな時間を感じさせないほどの素敵な舞台だった。一幕も二幕も舞台はカフェ・ド・ラ・マリーヌであり、1930年代のマルセイユという大阪・難波とはかけ離れた場所だが、そこで描かれていたのは現代の私たちにも大いに通ずるものがある、愛と夢という永遠のテーマだった。ファニーのことを愛しているけど自分の夢も捨てられない。この街の人々のためにカフェを経営するのが自分の仕事だとはわかっていても、世界に出て何かできるはずだというずっと秘めている自分への期待。愛と夢、どちらにも正解・不正解はなくだからこそ人を苦しめる。もっとこうすればいいのに!なんでそんなことをするんだ!という野暮な感情は湧かず、どんな人でもどちらの気持ちも汲めるような物語になっていたと思う。物語としてはとてもシンプルでわかりやすく、簡単に感情移入させられた。

音楽劇というだけあり、セリフがそのまま歌になっているような演出があるのだが、これもよかった。照史くんも瀧本美織さんも歌声が素晴らしいしセリフだけで最後まで通すよりも気分が変わって楽しむことができた。

さらに、この舞台には嫌な人、悪役は一人も出てこず、みんながみんなのこと想っているのが伝わってくる。特に林家正藏さん演じるパニスはどこまでもいい人すぎる。少しくらい狡いことをしてもいいんじゃないの?と言いたくなるほどだ。しかし二幕終盤、パニスは自分の息子(父親はマリウス)だけは譲らなかった。ここで、私はこれはどう転がっても(マリウスとファニーが結ばれてもパニスは報われないし、マリウスが身を引けば愛を諦めることになる)誰かが傷を追うストーリーであることに気がつき、悔しいような、やるせないような感情になり胸が締め付けられた。最終的にマリウスが身を引き再び海に旅立っていくラストになっておりハッピーエンドとは言えないのだが、決してバッドエンドという感覚ではなくそれぞれが人生の歯車を回して行くのを見守る、というエンドであった。

 

メインストーリーからは外れるが、プティの可愛さは半端じゃなく、舞台へ走って抱きしめたくなる程だった。あんなピュアな恋ある?あんな可愛い恋ある?素敵でした。ニャちゃんが男たちに絡まれた時、帽子が客席まで転がって落ちてしまったのだけど、お客さんが拾って渡してあげた時に被り直してありがとうと言ってお辞儀してたのも、すごくそこに確かにある世界を感じて感激した。個人的にニャちゃんの歌声がとても綺麗で一番好きで、惹きつけられた。二人のシーンはオアシスに違いなかった。

楽しみにしていたキリメンコも迫力がすごかった。映像とは違ってリアルな足音や表情、拍手がダイレクトに耳に届いてきて圧倒された。照史くんがフラメンコは怒りを表すダンスだと言っていたので確かに表情はキツめで、足音で相手を威嚇していた。たくさん練習したんだろうなぁ。かっこよかった。

 

照史くんが公演中や千秋楽を終えた後もカンパニーの方々が暖かくて優しくて、と何度も繰り返し言っていたのも舞台を眺めていて伝わってきた。最後の幕が下がったと同時に膝から崩れ落ちた、となにわぶ誌で言っていてそこには疲労感や達成感ももちろんあっただろうけど、最後まで走り抜けたカンパニーのみなさんの暖かさで包まれていたんだろうなぁと想像します。

本来ならなかったはずの桐山照史主演のマリウス。きっと、代役に決まらなかったら出会っていない作品との出会いをくれた。そして照史くんにとって分岐点となる作品を観劇することができて嬉しかった。ありがとうございました!そして、お疲れ様でした。

 

最後になりましたが翼くんの1日でも早い復帰を願っています。