アーモンドもなか

一般人の偏愛雑記です。ジャニオタでもあります。

放し飼いの猫

 

 

2016年12月25日、私は京セラドームにいた。ファンになって3ヶ月、初めてのジャニーズWESTのコンサートだった。席は所謂天井席、モニターを双眼鏡で見るレベルの遠さで、肉眼で見ればメンバーは米粒だ。

 

コンサート中はメンバーと同じ空間にいることが嬉しすぎて大興奮で、風景を断片的にしか覚えていない。ましてや自担の顔なんて1ミリも思い出せない。私は満足感と幸福感に包まれて帰宅した。

帰宅後、ツイッターでレポを漁っていると、Jr.時代コーナーについて、そしてWESTが京セラドームに立つことがJr.時代からどれだけ悲願であったか、そしてそれが達成された喜びでとても感動的で温かいコンサートであったことが古くからのファンの方達のツイートで痛いほど伝わってきた。それを読んだ時、私は自分のファンとしての浅さに落胆したのを今でもよく覚えている。もしかしたら私は、今日の公演を1割程しか感じれていなかったのではないか。実際、Jr.時代の曲はNEXT STAGEしか分からなかったし、All My Loveよりパリピポアンセムの方が記憶に残っていた。ツイッターのレポ、雑誌でのコンサートレポ、ラジオでのメンバーの発言を聞いてじわじわ"24魂の意味"を痛感していくにつれ、本質を全く見れていなかった自分に失望し「もっと早く、Jr.時代からファンだったらよかったのに」「24魂に自分は参加したとは言えないのではないか」というコンプレックスが心の中で湧いてきてしまった。その後は動画サイトでJr.時代の映像を歴史の後追いのように見漁っては後悔し、もはや本末転倒としか言えなかった。

 

 

そして日は経ち、今日、MYOJOの一万字インタビューを読んだ。今月は中間淳太くんの担当だ。

ファンレターに"もっと昔から知っていたかった"って書かれてることがすごい多くて。デビュー後にファンになってくれた人が、僕たちのJr.時代を見てきていないことに負い目のようなものを感じてる。だからドームでJr.時代コーナーをやったんです。

 

ここを読んで、そういえば自分ってそうだったな。負い目、感じてた。と思い出した。不思議なことに、あんなに悔しくて無力感を感じていたことを忘れていた。インタビューを読みながら自分とジャニーズWESTの約1年半を振り返ってみたが、メンバーは変に昔を懐古したりJr.時代を意識させるような事をしない。インタビューの中でも語られているように、ファンの視点で見ようとしてくれたり、置いていかれる人がいないようにたくさん考えてくれていることがひしひしと伝わってきた。次はこんな事がしたい、これからこんなグループになりたい、など未来を想像させてくれる。私の自担である重岡大毅は、前回の一万字インタビューで

 

未来のためには今をがんばらなくちゃいけない。人は変われるから、過去をずっと後悔してたって未来は変わらない。未来を変えるために大切なのは今だから、俺は俺が今できることをやるだけです。

 

と話している。この一万字はドームよりもずっと前だが、こんなにも今と未来を見つめている人についてきたのだから、忘れてて当たり前だ、私も気づかないうちに今と未来を見つめてたんだ、とストンと腑に落ちた気がした。重岡くんを応援していてよかった、と実感する瞬間だ。

 

 

そして、途中とても興味深い話が出ていた。「放し飼いの猫のようなグループになりたい」、という話である。一読ではぼんやりとしていて意味が伝わらなかったのでしばらく考えたが、グループや個人が自力で身につけた人間力で道を切り開きたい、ということなのではないかと解釈している。さらに、これは今芸能界においてジャニーズWEST置かれている状況を的確に表しているのかもしれない。ジャニーズWESTは、今お世辞にも事務所から推されているとは言えない。アイドルだから、ジャニーズだからでは当てられない環境だからこそ、自力で這い上がっていける人間力をもって好きな時に行きたい場所(仕事)へ行けるグループになりたい、そういう意味だと私は受け取った。

 

長々と書いてしまったがまだまだ書きたいことはある。今現在、ジャニーズWESTの置かれる立場は厳しいものであるのかもしれない。King & Princeの1stシングルはジャニーズWESTの1stシングルの初週売り上げを1日で上回るほどの人気ぶりで、もしかしたら背後からの足音はかなり近くまで来ているのかもしれない。"放し飼いの猫"になる事がどれだけ難しいことであるかは本人たちが一番分かっていることだと思う。でも、だからこそ私は旅をして疲れた猫にミルクとあったかいご飯をすっと差し出してあげられる人になりたいと思う。

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